「AIは便利そうだけど、自分には難しい」──そう感じている介護・医療の現場スタッフや管理者の方は多いのではないでしょうか。私もはじめはそう思っていました。ところが、AnthropicのAIアシスタント「Claude」をコマンドライン上で直接操作できるツール「Claude Code」を使い始めてから、その考えが大きく変わりました。今回は、Claude Codeを介護・医療の日常業務にどう活かすか、実践例を交えてお伝えします。
Claude Codeとは何か──現場目線でやさしく解説
Claude Codeは、Anthropicが開発したAIアシスタント「Claude」をパソコンのターミナル(黒い画面)から直接操作できるツールです。「プログラミングのツールでしょ?」と思われるかもしれませんが、実はそれだけではありません。
Claude Codeの特徴は、パソコン上のファイルを読み書きしながら、複雑な指示を自律的に実行できる点にあります。「この書類をこの形式でまとめて」「毎朝この情報を自動で整理して」といった指示を日本語で与えるだけで、AIが一連の作業を代わりにこなしてくれます。介護・医療現場のルーチン業務に、まさに打ってつけのツールです。
介護・医療現場での具体的な活用例
① 毎日の業務計画を自動作成する
私は現在、Claude Codeを使って平日の朝に「その日の業務計画ファイル」を自動で生成する仕組みを動かしています。起床してパソコンを開くと、その日の予定・対応すべき案件・確認事項がまとまったファイルが出来上がっています。
正直なところ、最初にこれが動いたときは「本当にこれでいいのか」と驚きました。自分でやれば30分かかっていた作業が、ゼロになったのです。その時間を、利用者や職員との対話に使えるようになりました。
② 報告書・議事録の下書きを瞬時に作成する
理事長・管理職として、私は毎月多くの報告書や議事録を作成します。Claude Codeにテンプレートと必要な情報を渡すと、構成の整った下書きを数十秒で作ってくれます。もちろん最終確認と加筆は自分で行いますが、「白紙から書き始める」ストレスがなくなるだけで、作業効率は大きく変わります。
介護現場では、サービス提供記録・モニタリング報告書・担当者会議録など、定型的な書類が多くあります。これらの下書き作成にClaude Codeを活用することで、記録にかかる時間を大幅に削減できます。
③ シフト管理ツールの作成・改善
「こういうシフト管理の仕組みを作りたい」と伝えると、Claude Codeは実際に動くプログラムを書いてくれます。プログラミングの知識がなくても、「月間シフトを自動で組みたい」「スタッフの希望休と必要人員数をもとに作りたい」と日本語で説明するだけで、叩き台となるツールを作ってもらえます。
介護施設のシフト管理は複雑で、管理者の大きな負担になっています。完璧なものでなくても、「たたき台」を自動で生成できるだけで、管理者の精神的負担は大きく軽減されます。
④ ブログ・広報資料の下書き作成
このブログ記事も、実はClaude Codeを活用した仕組みで下書きを作成しています。週1回、スケジュールされたタスクが自動で起動し、テーマを選定してWordPressの下書きを作成する──そんな仕組みを構築しました。採用広報や地域向けニュースレターの作成にも応用できます。
導入にあたって気をつけたいこと
個人情報・医療情報の取り扱い
AIツールを業務に使う際に最も注意すべきは、個人情報・医療情報の取り扱いです。利用者の氏名・住所・病歴などをAIに入力することは、情報漏洩のリスクがあります。Claude Codeを使う際は、個人を特定できる情報は入力しないことを鉄則とし、仮名や匿名化したデータを使うようにしましょう。
AIの出力は必ず人間が確認する
AIが作成した文書・計画・記録は、必ず担当者が内容を確認・修正してから使用してください。AIは「もっともらしい文章」を生成しますが、事実誤認や不適切な表現が含まれることがあります。特に制度情報・医療情報については、専門家による確認が不可欠です。
まとめ──AIは「代替」ではなく「補佐」
Claude CodeをはじめとするAIツールは、介護・医療の専門職の仕事を奪うものではありません。書類作成・情報整理・定型業務といった「時間を取られる作業」をAIに任せることで、専門職が本来の力を発揮できる時間と余裕を生み出す──それがAI活用の本質だと私は考えています。
- Claude Codeはファイルの読み書きを伴う自律的な作業が得意で、日常業務の自動化に向いている
- 毎日の業務計画・報告書・議事録の下書き作成など、定型的な書類業務に特に効果的
- シフト管理ツールの作成など、プログラミング知識なしにITツールを作れる可能性がある
- 個人情報・医療情報は入力しない、出力は必ず人間が確認する、という原則を守る
- AIは専門職の「代替」ではなく「補佐役」。本来の仕事に集中できる環境をつくるために使う
「自分には難しそう」と感じている方にこそ、まず試してみてほしいと思います。難しい知識は不要です。日本語で話しかけるだけで、AIが一緒に考えてくれます。介護・医療の現場に、もう少し余裕と笑顔が生まれることを願っています。
