申込を終えてからが、本番です ― 介護福祉士国家試験、締切当日に考える5か月の組み立て方

申込を終えてからが、本番です ― 介護福祉士国家試験、締切当日に考える5か月の組み立て方

9月2日、水曜日です。

第39回介護福祉士国家試験の受験申込は、今日が締切日です。今年から手続きがすべてインターネット申込に変わったことは、8月21日にこのブログでも書きました。あれから12日。事業所の中で、申込を終えた方と、まだの方に分かれている頃だと思います。

まず、まだの方へ。

今日中に、決済まで終わらせてください

インターネット申込は、フォームを埋めただけでは完了しません。受験手数料20,510円の決済まで済ませて、はじめて申込になります。コンビニ決済を選ぶ場合は、支払いに行く時間まで含めて逆算してください。締切時刻は必ず、社会福祉振興・試験センターのホームページで確認をお願いします。

実務経験ルートで、事業所からの実務経験証明書がまだ手元にない方。今日、管理者に声をかけてください。遠慮する場面ではありません。この試験は1年に1度です。ここで1日遅れると、次は1年後になります。

そして管理者・経営者の方。今日、自分の事業所に「まだ出していない職員」がいないか、一度だけ確認していただきたいと思います。本人が言い出せずにいるケースは、思っているより多い。私も過去に、締切を過ぎてから「実は……」と聞かされたことがあります。あのときの、どうにもならない感じは、今も覚えています。

5か月は、長いようで長くない

ここからは、申込を終えた方へ。

筆記試験は令和9年1月31日、日曜日。今日から数えて、およそ5か月です。150日ほどあります。

この数字を見て「まだ時間がある」と感じた方が多いのではないでしょうか。私も資格試験に向けて勉強する側に立つことがありますが、5か月というのは、実際に走り出してみると、あっという間に溶けます。溶ける理由もだいたい決まっていて、最初の2か月を「そのうち本気を出す期間」として使ってしまうからです。

夜勤があり、家庭があり、日々の業務がある。その中で勉強時間を確保するというのは、学生時代の勉強とはまったく別の作業です。だからこそ、気合いではなく設計が要ります。

テキストを1ページ目から読まないこと

私が一つだけおすすめしたい方法があります。テキストから入らず、問題から入ることです。

参考書を最初から読み進めるやり方は、真面目な人ほど選びがちです。ただ、これは途中で必ず息切れします。介護福祉士国家試験の出題範囲は広く、全科目を丁寧に読み込もうとすると、それだけで数か月が終わってしまう。しかも、読んだ内容が試験でどう問われるのかが分からないまま進むので、手応えがありません。

先に過去問を解いてしまう。分からない問題は、その場で潔く飛ばして答えを見る。そして、分からなかった部分だけをテキストで確認する。この順番にすると、読む範囲が一気に絞られます。自分が何を知らないのかが先に見えているので、読んだことが頭に残ります。

教材を選ぶときは、問題集とテキストを同じシリーズで揃えると効率が上がります。解説に「テキスト○ページ参照」と書いてあるものだと、確認の手間がほとんどかかりません。地味ですが、5か月続けるとかなりの差になります。

1日の分量は「夜勤明けでもできる量」で決める

計画を立てるとき、多くの人は「調子のいい日」を基準にします。休日に3時間できたから、平日も2時間はいけるだろう、と。

これを、逆にしていただきたいのです。基準は、いちばん疲れている日に置く。夜勤明けの日でもできる量を1日分にする。過去問10問でもいい。5問でもいい。大事なのは、ゼロの日を作らないことです。

一度ゼロの日が続くと、再開するのに大きな力が要ります。そして、その「再開できないまま12月になった」というパターンを、私はこれまで何度も見てきました。本人の能力の問題ではありません。計画の置き方の問題です。

12月に入ってからの追い込みは、確かに効きます。ただそれは、9月から10月にかけて土台を作った人にだけ効くものだ、というのが正直なところです。

職場として、できることがあります

ここからは、経営する側の話です。

働きながら受験する職員に対して、事業所ができることは、思っているより具体的にあります。

一つは、シフトの配慮です。試験直前の1週間、できれば夜勤を外す。試験当日とその前日を確実に休みにする。これは早めに決めて、本人に伝えておくほうがいい。「言えば配慮してもらえるかもしれない」と思いながら働くのと、「もう決まっている」と分かって働くのとでは、この5か月の落ち着きがまるで違います。

もう一つは、合格後の処遇を、今のうちに言葉にしておくことです。資格手当がいくら付くのか。基本給がどう変わるのか。この試験は、本人にとって生活が変わるかどうかの話でもあります。曖昧なまま「頑張ってね」と言うより、数字で示したほうが、よほど誠実だと思っています。

そして、複数名が受験するなら、月に1回でいいので集まる場を作る。教える人は要りません。同じ問題集を持ち寄って、分からないところを言い合うだけで十分です。一人でやっている実感が、少し薄まります。

「受かること」の先にあるもの

私は北海道介護福祉学校で非常勤講師を務めています。教室で学生と話していると、この資格が単なる通過点ではないのだと、こちらが気づかされることがあります。

介護福祉士は、名称独占の国家資格です。持っていなければ介護の仕事ができない、というものではありません。ただ、この資格を持っているということは、根拠を持って人の生活を支える専門職なのだと、社会に対して名乗れるということでもあります。

現場で長く働いてきた方ほど、「今さら試験でもないだろう」と言われることがあります。私はそうは思いません。日々やっていることに名前と根拠がつくと、自分の仕事の輪郭がはっきりします。後輩に説明するときの言葉も変わります。それは、受かった本人だけでなく、その人が関わる利用者さんにも返っていくものだと思っています。

1月31日まで、あと150日。

今日はまず、申込を確実に終えること。そのうえで、明日から何を何問やるかを決めてしまう。それだけで、この5か月の景色は変わります。

受験される皆さん、そして支える立場の皆さん。応援しています。


木下浩志(NPO法人ちとせの介護医療連携の会 理事長/株式会社MCL 取締役/北海道介護福祉学校 非常勤講師/キャリアコンサルタント)

参考:公益財団法人社会福祉振興・試験センター「第39回介護福祉士国家試験」受験申込関連情報

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