介護福祉士の受験申込、締切は9月2日です ― 今年から手続きがまるごと変わりました

介護福祉士の受験申込、締切は9月2日です ― 今年から手続きがまるごと変わりました

8月21日、金曜日です。お盆が明けて、事業所の空気もようやく通常運転に戻ってきました。

毎年この時期になると、現場から必ず出てくる質問があります。「受験の手引き、もう取り寄せました?」というものです。介護福祉士の国家試験を受ける職員にとって、夏の終わりは申込の季節でした。

それが今年から、その質問そのものが要らなくなりました。第39回の試験から、受験申込のやり方がまるごと変わったからです。

そして、その申込の締切が9月2日、水曜日。この記事を書いている今日から数えて、あと12日しかありません。

郵送がなくなり、すべてインターネット申込になりました

まず、変わった点を整理しておきます。

第39回介護福祉士国家試験の受験申込受付は、令和8年7月22日から9月2日まで。手続きはすべて、社会福祉振興・試験センターのホームページからのインターネット申込になりました。受験の手引きを取り寄せて、必要書類を封筒に詰めて、簡易書留で出す。あの一連の作業がなくなったということです。

筆記試験日は令和9年1月31日の日曜日。受験手数料は20,510円で、クレジットカードかコンビニエンスストアでの決済になります。顔写真も、実務経験証明書も、実務者研修の修了証明書も、画像でアップロードする形式です。

正直なところ、これは良い変更だと思っています。手引きの取り寄せを忘れていて申込に間に合わなかった、という話を、私はこれまでに何度か聞いてきました。1年に1度しかない試験ですから、そこで1年待つことになるのは、本人にとってあまりに惜しい。その入り口の関門が一つ消えたのは、素直にありがたいことです。

便利になった分、つまずく場所が移動しました

ただ、手続きが楽になったからといって、失敗がなくなるわけではありません。つまずく場所が移動しただけだと考えたほうがいい。

インターネット申込で新しく必要になるものを並べてみます。本人が確実に受け取れるメールアドレス。規格に合った顔写真のデータ。そして、証明書類をきちんと読める状態で撮影したファイル。最後に、期間内に完了させる決済です。

もう一つ、私が気にしているのは「いつでもできる」という感覚です。郵送だと、封筒を作って出しに行くという物理的な行動が必要でしたから、締切が体感として近づいてきました。ネットは24時間いつでも開ける。だからこそ、後回しになりやすい。夜勤明けに「明日やろう」と思ったまま、気づいたら9月になっている。これは想像ではなく、人間はそういうふうにできていると思うのです。

本人の努力だけでは、どうにもならない書類があります

そして、ここからが経営する側の話です。

実務経験ルートで受験する方には、実務経験証明書が必要になります。これは本人が書く書類ではありません。働いている事業所が、従事日数と従業期間を確認して発行するものです。

つまり、本人がどれだけ早く準備を進めても、事業所が証明書を出さなければ、その人は申し込めません。ここが、私がいちばん怖いと思っているところです。

私は、受験を勧めておきながら書類の手配で本人を待たせてしまうことが、いちばん申し訳ないと思っています。勉強の時間を削ってシフトを組み替えて、その上で「証明書がまだです」と言わせるのは、支える側として筋が通らない。挑戦しようとしている人の足を、こちらが引っぱっていることになります。

ですから、依頼は口頭で受けたままにせず、誰がいつまでに出すのかをその場で決める。当たり前のことですが、当たり前のことほど、忙しい時期に抜け落ちます。

実務者研修が「修了見込み」の方へ

実務者研修をまだ修了していない方も、修了見込証明書があれば申し込めます。この点は変わりません。

ただし、その場合は令和9年4月9日までに、修了したことの証明を提出する必要があります。試験は1月31日ですから、試験が終わってからも手続きが残るということです。

北海道でこの時期に研修を受けるということは、冬の交通事情の中でスクーリングに通うということでもあります。雪で交通機関が乱れれば、振替が必要になる日も出てくるでしょう。年末年始はシフトがいちばん動かしにくい時期でもあります。

だからこそ、この調整は9月のうちに始めておきたい。12月に入ってから「実は研修が残っていて」と言われても、打てる手は限られます。管理者が先回りして、誰がいつ通うのかを把握しておくだけで、ずいぶん違ってくるはずです。

パート合格は、まだ全員のものではありません

今年から話題になっているパート合格制度についても、誤解が生まれやすいので触れておきます。

これは試験科目を3つのパートに分けて、基準に達したパートについては翌年・翌々年の受験が免除されるという仕組みです。働きながら受験する人にとって、現実的な制度だと思います。1年で全部を仕上げるのが難しくても、区切って積み上げていける。

ただ、第39回の申込でパートを選べるのは、第38回でパート合格に該当した方だけです。初めて受験する方や、前回合格に届かなかった方は、全パートを受験することになります。しかも申込後の変更はできません。

「今年から分割できるらしいから、一部だけ受ければいい」と思い込んだまま申し込んでしまうと、その勘違いは試験当日まで気づけない可能性があります。周りにこれから受ける職員がいる方は、一度確認してあげてください。

資格は、その人の名札を変える

北海道介護福祉学校で非常勤講師をしていますが、私が教室に立つのは12月から3月にかけての時期です。だから今の季節、学生の顔を直接見ているわけではありません。

学校に通って資格を目指す人と、現場で働きながら受験する人とでは、しんどさの種類が違います。仕事を終えて、家のことを片づけて、それから机に向かう。若い頃のように何時間も集中は続かないし、覚えたつもりのことが翌週には抜けている。それでも続ける人を、私は何人も見てきました。

そして合格の報告を聞くときが、この仕事をしていていちばん嬉しい瞬間の一つです。国家資格を持ったからといって、翌日から急に介助が上手くなるわけではありません。それでも、本人の中で何かが確かに変わる。人前で自分の仕事を説明するときの言葉が、少し変わります。

介護福祉士は、名称独占の資格です。名乗れるかどうか、という違いでしかないと言う人もいます。けれど、名乗れるということは、自分の仕事に名前がついたということです。その意味は、思っているより大きいと私は考えています。

この10日ほどで、管理者ができること

最後に、事業所を預かる立場の方に向けて、いま確認しておきたいことを挙げておきます。

一つ目。今年受験する予定の職員が誰なのかを、名前で把握できているか。「たぶん何人かいる」では、支えようがありません。

二つ目。実務経験証明書の依頼が来ていないか、机の上と受信箱を確認する。依頼されたものは、いつまでに出すかをその場で決めて相手に伝える。

三つ目。申込がまだの職員には、締切が9月2日であることを一度声に出して伝える。ネット申込は「いつでもできる」ぶん、後回しにされやすいということを、前提にしておいたほうがいい。

四つ目。実務者研修が修了見込みの職員がいれば、冬のシフトを今のうちに一緒に眺めておく。

どれも数分で終わることばかりです。ただ、この数分をこの時期に使えるかどうかで、来年1月31日に試験会場にいる職員の人数が変わります。

挑戦するのは本人ですが、挑戦できる状態をつくるのは、私たちの仕事です。


参考:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「令和8年度 第39回介護福祉士国家試験」
https://www.sssc.or.jp/kaigo/tetsuzuki.html


木下浩志(NPO法人ちとせの介護医療連携の会 理事長/株式会社MCL 取締役/北海道介護福祉学校 非常勤講師/キャリアコンサルタント)

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