介護福祉士の「次の一歩」 ― ケアマネ・認定介護福祉士・現場のプロ、迷ったときの選び方

介護福祉士の「次の一歩」 ― ケアマネ・認定介護福祉士・現場のプロ、迷ったときの選び方

6月に入り、夏のボーナスを受け取って一息ついたこの時期は、自分のこれからを考えるのにちょうどよい季節です。実際、各地で介護支援専門員(ケアマネジャー)実務研修受講試験の受験案内が出はじめ、「そろそろ次の資格を」と動き出す方が増えてきます。介護福祉士として現場で数年を重ね、仕事にも自信がついてきた。けれど、「この先どこを目指せばいいのか」と、ふと立ち止まる。今日は、そんな介護福祉士の「次の一歩」について考えてみたいと思います。

「上を目指す」が唯一の正解ではない

キャリアの相談を受けていてまず感じるのは、多くの方が「ケアマネを取らないと、この先がない」と思い込んでいることです。たしかにケアマネジャーは、介護福祉士の代表的なステップアップ先です。けれど私は、上の資格を取ることだけがキャリアアップだという考え方には、少し立ち止まってほしいと思っています。

人にはそれぞれ、力を発揮できる場所があります。利用者さんの隣で直接ケアをすることに何よりのやりがいを感じる人。チームをまとめ、後輩を育てることに向いている人。制度や書類を読み解き、ケアプランを設計することが得意な人。どれが上でどれが下、ということはありません。大切なのは、自分がどこで生き生きと働けるのかを知ることです。

三つの道を、自分の言葉で眺めてみる

介護福祉士の次の一歩には、大きく三つの方向があります。一つずつ、自分に重ねて眺めてみてください。

どの道にも、それぞれの誇りと、それぞれの難しさがあります。

「何ができるか」より「何をしたいか」から考える

資格選びの相談で、私がいつも問いかけるのは「いま何ができるか」ではなく、「五年後、どんな自分でありたいか」です。資格はあくまで手段であって、目的ではありません。「みんなが取るから」「上司に勧められたから」という理由だけで走り出すと、苦労して取った資格が、いつしか重荷になってしまうことがあります。

逆に、「自分はこういう介護がしたい」「こんなふうに人を支えたい」という軸がはっきりしていれば、そこに必要な資格は自然と見えてきます。そして勉強そのものが、目的に近づいていく手ごたえのある時間に変わります。同じ努力でも、「やらされる勉強」と「自分のための学び」とでは、たどり着く場所がまるで違うのです。

一人で抱え込まず、誰かに話してみる

とはいえ、自分の軸を一人で見つけるのは、案外むずかしいものです。日々の業務に追われていると、立ち止まって自分のことを考える時間そのものが取れません。そんなときこそ、信頼できる先輩や上司、あるいは私のようなキャリアコンサルタントに、頭の中をそのまま話してみてください。声に出して語るうちに、自分でも気づいていなかった本当の願いが、ふっと輪郭を結ぶことがあります。

私は職場のキャリア面談を、「評価のための場」ではなく「その人の人生を一緒に考える場」にしたいと、いつも思っています。介護という仕事は、本当に尊い仕事です。その尊い仕事を選んでくれた一人ひとりが、迷いながらでも自分の道を納得して歩んでいけるように。週明けの月曜、少し気持ちが重いという方も、どうか焦らないでください。次の一歩は、急いで決めるものではありません。あなたのペースで、あなたの「したいこと」から、ゆっくり考えていきましょう。


木下浩志(NPO法人ちとせの介護医療連携の会 理事長/株式会社MCL 取締役/北海道介護福祉学校 非常勤講師/キャリアコンサルタント)

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