通常総会の日に ― 「静かに地ならしをした一年」と、「ちとせケアここ」という新しい一歩

通常総会の日に ― 「静かに地ならしをした一年」と、「ちとせケアここ」という新しい一歩

はじめに ― 今夜、一年の節目を迎えます

おはようございます。木下です。

本日5月22日、金曜日。今夜18時30分から、北ガス文化ホールで 特定非営利活動法人ちとせの介護医療連携の会の通常総会 を開催します。

総会は、法人にとって一年に一度の節目です。会員の皆さまに昨年度の事業と決算をご報告し、今年度の事業計画と予算をお諮りする。この数週間、私は議案書の作成に向き合いながら、改めて「この一年、私たちは何をしてきたのか」を振り返ってきました。

今日のブログは、その振り返りの言葉を、総会の場に立つ前に少しだけ書き残しておきたいと思います。

昨年度を、正直に振り返る ― 「派手さのなかった一年」

議案書を整える作業のなかで、私には一つの率直な実感がありました。

昨年度は、事業内容のうえで、外から見て大きなインパクトのある一年ではなかった。

新しい大型事業が立ち上がったわけでもなく、目を引くトピックが並んだわけでもありません。地域ケア会議、連携カレッジ、ケアカフェ、共通書式の運用支援といった、これまで積み上げてきた取り組みを、淡々と継続した一年でした。

総会の議案書を書く立場としては、「もっと書けることがあればよかった」と思う気持ちも、正直なところ、ないわけではありません。

しかし、振り返りを重ねるうちに、私はその見方を少し改めました。昨年度は、派手ではなかったが、「地ならし」の一年だった ――そう捉えるべきだ、と。

地域連携の仕事は、先日のブログでも書いたとおり、制度という「足場」と、人と人の「関係」という両輪で動いています。関係づくりは、一年単位で華々しい成果が出るものではありません。地域ケア会議に出席し続けること、ケアカフェで顔を合わせ続けること、書式を地道に使ってもらうこと――その一つひとつは地味で、決算書の数字には表れません。

ですが、その地ならしがあったからこそ、今年度、私たちは新しい一歩を踏み出せました。

今年度の新しい一歩 ― 「ちとせケアここ」の事業委託

その新しい一歩が、「ちとせケアここ」 です。

今年度より、当連携の会は、千歳市から 介護・障がい福祉分野の人材の確保・育成・定着を支援する事業 を、正式に委託契約として受託することになりました。その相談支援窓口の名称が「ちとせケアここ」です。

これは、当法人にとって決して小さな出来事ではありません。理由を3つ、書いておきます。

1. 「連携」から「人材」へ、活動領域が一歩広がった

これまで当連携の会の中心は、医療と介護をつなぐ「連携」の仕事でした。今年度からは、そこに 「人材」 という新しい柱が加わります。

介護・福祉の現場が直面している最大の課題は、言うまでもなく人材の確保と定着です。連携の仕組みをどれだけ整えても、それを担う人がいなければ地域は支えられません。「連携」を続けてきた私たちが「人材」に取り組むのは、自然な、そして必要な広がりだと考えています。

2. 「介護」だけでなく「障がい福祉」も対象になった

今年度の委託では、介護分野に加えて 障がい福祉分野 も事業の対象に加わりました。これは、当法人がこれまで主に介護・医療を軸にしてきたことを考えると、活動の幅が大きく広がることを意味します。

「介護連携の会には相談しづらかった」という声をいただいていた障がい福祉の事業所とも、この機会に顔の見える関係を築いていきたい。市の障がい福祉担当の方々からも、そうした期待をいただいています。

3. 「市と協働する受託者」という新しい立ち位置

委託事業は、市の指示を一方的に実施するものではありません。市と受託者が 「共通認識・同一方向性」 で、対等に意見を出し合いながら進める協働事業です。

これは、当法人がこれまで培ってきた「地域の中間支援組織」としての立ち位置と、よく噛み合っています。行政の発信力と、現場に近い私たちの機動力。その両方を持ち寄ることで、一法人だけ・行政だけではできない施策が動きます。

「ちとせケアここ」が、これから取り組むこと

今年度、ちとせケアここが取り組む施策の一部を、総会でご報告する内容から先に少しご紹介します。

領域主な取り組み
相談支援無料職業紹介、電話・メールに加えLINE・オンライン相談の導入
資格取得支援無資格者向け初任者研修の周知(受講料無料、働きながら取得できる日程)
接点づくり「お仕事万博」(6月12日開催予定)、合同入職式、就職説明会
定着支援在職者向けフォローアップ相談、ハラスメント対応研修、伴走型支援
DX・外国人材ICT・介護ロボット導入支援、外国人スタッフの受入れ・交流支援

窓口は、千歳市しあわせサポートセンター内(千歳市東雲町1丁目11番地)。受付は平日8時45分から17時15分です。「どこに相談すればいいかわからない」という段階のご相談も、もちろん歓迎します。

仕事を探している方、いま現場で働いている方、そして採用に悩む事業所の担当者の方――千歳で介護・障がい福祉に関わるすべての方が対象です。相談はすべて無料です。

「インパクト」は、種をまいた次の年にやってくる

ここで、昨年度の振り返りに話を戻します。

昨年度が「地ならし」の一年だったとすれば、今年度始まったちとせケアここは、その地ならしの上に芽を出した最初の事業です。地域に淡々と関わり続け、行政とも、事業所とも、介護福祉学校とも関係を保ち続けてきた。その積み重ねがあったからこそ、市は当法人に人材確保・育成・定着という重い事業を委ねてくださったのだと、私は受け止めています。

事業の「インパクト」は、種をまいた年ではなく、その次の年にやってくる。

これは、地域連携という仕事を長く続けてきた私の実感です。総会の議案書に書ける派手な成果がなかった年は、決して「何もしなかった年」ではありません。むしろ、次の一歩のための準備が静かに進んでいた年なのだと思います。

今年度、私たちには「ちとせケアここ」という具体的な事業があります。来年の総会では、相談件数も、採用につながった件数も、数字でご報告できるはずです。その数字を実りあるものにすることが、今年度の私たちの責任です。

おわりに ― 会員の皆さまへ

今夜の総会で、会員の皆さまには、昨年度の事業と決算、そして今年度の事業計画と予算をお諮りします。

繰り返しになりますが、昨年度は派手な一年ではありませんでした。しかし、その一年があったからこそ、今年度の新しい一歩があります。地域連携も、人材育成も、一年で完結するものではなく、何年もかけて地域に根を張っていく仕事です。

当連携の会は、これからも「連携」と「人材」の両輪で、千歳の介護・医療・障がい福祉を支える地域基盤づくりに取り組んでまいります。会員の皆さま、関係機関の皆さまの、引き続きのご理解とご協力をお願い申し上げます。

総会でお会いできることを、楽しみにしております。

良い金曜日を、お過ごしください。

木下 浩志
NPO法人ちとせの介護医療連携の会 理事長
株式会社MCL 取締役
北海道介護福祉学校 非常勤講師
国家資格キャリアコンサルタント

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